
株安、ドル安、債券安のトリプル安の中、異彩を放っているものがゴールド。
ここ半年の値上がりは目を見張るものがあり、注目の的になっている。
2025年に入ってから実に26%強も上昇している。
今流行っているものには飛びつかないのが得策です。
が、株安、ドル安、債券安の中、ゴールドに資金が流入しているのは事実。
現金以外の資金の置き場所、守りの資産として改めて検討する。

目次
【有事に強い】ゴールド投資のメリットとデメリット
メリット1.有事、インフレ時の資産防衛
左の図は米国のドルと消費物価指数、右の図は金を100とした場合のドルの価格の推移です。
インフレの指標として消費物価指数があります。
過去100年位では金の価格が消費物価指数を上回っています。
また、価格の比較でも、ドルが金の100分の1に減価しています。
現金だけ持っていても、インフレにより減価してしまうので、インフレに対する防衛資産として機能していると言えるでしょう。
また、有事の金というように、お金の価値が紙切れ同然になるようだと、金の価値がぐっと上がるでしょう。
1929年の世界恐慌時には金の価値が垂直方向に上がっています。
ポートフォリオの最適化と分散投資

上のチャートは「金」、「米国株」、「金50%+米国株50%」を比較したものです。
何となくあまり変わらなそうですが、ここ20年では金50%+米国株50%が上回っています。
それよりも着目すべき点は04年~14年までの動きです。
米国株式が低迷している時に金の価格は上昇しています。いわゆる逆相関というものです。
金50%+米国株50%はちょうどその中間位の動きをしていますので、分散効果が出ています。
ゴールドは利息を生まない
当たり前ですが、金は元素記号AUの物質です。
良くも悪くも一定の資産価値はある。
金という物質はあくまでも物であり、勝手に増殖したりましてや利息を生むなどということはない。
株や債券の価格が上がってくるようだと、利息を生まないゴールドは相対的に価値が低くなりやすい。
有事が無くなるか、有事の懸念が解消による下落リスク
有事に強いゴールドは、有事に上昇するならば、有事が無くなれば、ゴールドから資金が流れます。
その結果、ゴールドの価格が下落する可能性が高い。
今は、世界経済の不透明感が増している最中であり、ゴールドに資金が流れている。
その不透明感だけでなく、ウクライナの戦争が終わればどうなるか。
ゴールドが下落する可能性が出てきます。それがいつかは分からんけど。
下落する可能性があることを踏まえつつ検討するのが良い。
ゴールド投資の手法
投資手段 | 代表的な商品/市場 | 利用時の主なコスト・注意点 |
現物(金地金・コイン) | インゴット、メイプルリーフ金貨、JRA優勝メダル等 | スプレッド+保管料(自宅なら無料) 買付時に10%消費税発生、売却時に同率上乗せで戻り。 |
純金積立(金投資・貯蓄口座) | 三菱マテリアル、田中貴金属、ネット銀行の積立サービス | 毎月手数料(1~2%位)+スプレッド。原則現物引出し可。 消費税は現物受渡時に発生。 |
国内金ETF・投資信託 | 1540(金価格連動型上場投信)など | 売買手数料+信託報酬。保管不要。円建て。 |
海外ETF | GLD、IAU など(米国市場) | 為替手数料+経費率。ドル建て。 |
金鉱株・金鉱株ETF(オマケ) | 個別(ニューモント等)/GDX 等 | 株価は金価格+企業要因で変動。為替影響も大。 |
ゴールド投資の一覧をまとめた。
無難なのは純金積立か、国内外ETFか、投資信託ですかね。
金鉱株は会社の株なので無理して買う必要はないが、一応入れておいた。
金の価格が上昇しても、金鉱会社の業績が悪いと株価下がりますからね。
だったら、普通に金を買えば良いじゃんって事になる。
先物取引はゴールド投資というより、値幅を取りに行く意味合いが大きいので除外した。
ゴールド投資で気をつけるべきコストやリスク
ETF・投信
正直、これと言ってない。株と同じ扱いで良い。
現物を保管しなくて良いメリットはある。
現物
保管料かかるが、自宅等で保管できれば無料。
だが、管理の手間や盗難や災害のリスクもある。
純金積立
1,000円位から始められて、お手軽。
ただ、買付手数料が1~2%位取られるのが難点。
買った時点で-1~2%のリターンは痛い。
手数料気にしないならやっても良い。
おすすめのゴールドETFと投資信託
種類 | 銘柄 | 経費率 |
---|---|---|
投資信託 | SBI-SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし) | 0.1838%程度 |
国内ETF | SPDRゴールド・シェア (1326) | 0.40% |
国内ETF | iシェアーズ ゴールド ETF (314A) | 0.20% |
米国ETF | SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト(GLDM) | 0.10% |
お勧めは上記4つ。
「SBI-SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」以外はSBI・楽天両方で買える。
基準は経費が安い、米国ETFは買付手数料が無料だから。
国内ETFは1日あたり100万円までの約定なら手数料無料だったはず。
どれも積立設定はできたはずだが、積立なら投資信託がお勧め。
基準価額が1日1回の更新だから。
ETFは取引時間内で値動きがあるし、サッと買いたい人は良いんじゃないかな。
現物金とETFの税制上の違い
投資手段 | 課税区分・税率 | 損益通算 |
現物(金地金・コイン) | 譲渡所得(総合課税) 所有5年超は長期扱いで1/2課税。特別控除50万円あり。国税庁 | 他の譲渡所得と可。株やFXとは相殺不可。 |
純金積立(金投資・貯蓄口座) | 売却益が出たら ①譲渡所得(総合課税) ②業として頻繁なら雑所得 | ①の場合は現物同様の損益通算。 ②雑所得なら他雑所得のみ通算。 |
国内金ETF・投資信託 | 上場株式等の譲渡所得(申告分離20.315%) 特定口座で源泉徴収可。 | 株式・投信と同じ |
海外ETF | 外国株式と同様:譲渡所得20.315%。 分配金は外国源泉税(通常米国10%)後に国内20.315%で二重課税控除可。 | 国内株と損益通算可 |
金鉱株・金鉱株ETF | 上場株式等の譲渡所得20.315%。配当は配当所得。 | 株式と損益通算 |
現物や積立の売却は持っている期間が5年を超えるかどうかで取り扱いが変わる。
税制は変わる可能性があるので、売却時に調べる必要はある。
税制面での手間なんかを考慮すると、ETFか投資信託が良いかなと。
私が持っているJRAメダルはいくらで売れる?
JRAの純金メダルを持っています。
カメラ保管用の防湿庫に入れて湿度管理は問題ありません。
元々、カメラ保管用に置いてあったので、そのまま流用した。
↓の画像は田中金属のWebサイトから引用したもの。
JRA金メダルは「K24特定品」に該当します。
16,199円/gで売却できます。
店頭買取価格よりも3%弱安いですかね。
このメダルを持っていたこともあり、わざわざ金投資はしていなかったのです。
今のところ、メダルを売却する予定はありません。

【結局どうするの?】投資信託の積立設定をした
毎月少額ですが、積立設定をした。
銘柄は「SBI-SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」です。
チマチマと積立しながら、注視していく所存です。